家族の反対はあると思っておく
家の車が1台だとしたら、商用バンを日々の足にするのにはなかなか決心がつきにくいと思います。他の家族も日常的にその車を運転する場合はなおさらです。
特に結婚されている方でしたら、奥様の反対はもれなくデフォルトでついてくると思います。実際、私もはじめは「え…」と思っていましたし。世の奥様方の反応をネットで探ってみました。
案の定「一緒に乗るのが恥ずかしい」「地元の友だちに商用バンに乗っているところを見られるなんて耐えられない」「ありえない」等々…でてきました。中には同意見の男性もいました。
その気持はわからなくもない!
というか、恐らくその反応の方が多いと思います。最近よくあるおしゃれな軽バンでさえ許せない子女は多いのに、仕切りバー付きの真っ白なタウンエースがガレージにあった日には!!
ですから、これから商用バンに乗り換えようかなーと思っている方は、家族の反対はまずあると思っていたほうが良いと思います。そのうえで、家族の価値観を考慮したメリットの提示が必要になってくるのだと思います。
私がタウンエースに乗ることを決心した日
余談ですが、私は車に興味がないわけではありません。というより、車が好きな方です。
独身時代はお金をためて1台めにはカブリオレ、2台めにはTバールーフのMR(もちろんMT車)を買ったくらいには車が好きです。
見た目はもちろん、乗り心地もこだわりたい方だと思います。
ですから、ある日突然旦那氏が「セレナを売ってタウンエースを買おう!」といった時は、目が点でした。
商用バンをマイカーにするだなんてあまりに突飛すぎて、そのメリットもデメリットも思いつかずにいたくらいです。まさに頭が真っ白っ状態。
今となっては、旦那氏がどんな言葉で私を説得したのか覚えていません。けれど、私がタウンエースへの乗り換えに賛同したのは「質実剛健な商用車を自分たちの手でカスタムして育てていく楽しみ」にワクワクしたからでした。
きっと私達は車という「モノ」ではなく、車を育てるという「体験」が欲しかったのだと思います。
誰にとっても分かりやすい手軽な美しさよりも、多少不格好でも自分たちのワクワクが詰まったものを手に入れたい!という思いです。
それからもう一つの理由は、塗装やカスタムをしても商用バンならある程度の下取り値がつくということです。いざ乗ってみて「やっぱり商用バンは無理!」ってなったら売ってしまえばいいという、一種の開き直りの気持ちもありました。
商用バンをマイカーにした現実
現実問題、実車が来るとなかなかの衝撃でした。
一番の問題は商用車あるあるのチープ感ですね…
真っ白なボディ、グレーの安っぽいシート、いかにもな感じのゴムマット。インパネなんてこんな感じです。震えるほどシンプル!
今後おしゃれな車に改造するにしても当分はただの商用車です。だから当分の間このチープ感を我慢するのはしかたないですね。完成したカスタム車を買うのでなければ避けて通れない葛藤です。
けれど実際はチープな印象を我慢するよりも、洗礼されていない機能に慣れることの方が大変でした。
まずは、キーレスじゃないストレス。
キーレスに慣れてしまっているので、ドアを開けるために鍵を探すことから。カバンをごそごそしてキーを鍵穴にさしこみドアを開ける。で、エンジンをかようとしてまた気づく。あ、ここでもキーがいるんだった!
さっきしまったばかりのキーを再びカバンから出して鍵穴にさす。エンジンON
お次はシート位置あわせ。タウンエースのシートをスライドさせるレバーは、シートの腿の下辺りにある。そこまでは簡単に見つかるのだが、かなりの力で引っ張らないとシートは動かない。これ女性にはなかなかの硬さです。今でもかなりもがきます。
シートを設定したらさぁ、出発です! サイドブレーキを解除…と足を踏ん張ってもペダルはそこにありません。無意識に踏ん張った足はスカされます。タウンエースは懐かしのハンドブレーキなのです。
スタートするまでに、これだけのストレスがあります。しかもこれらの動作って普段ほぼ無意識でやっているので、1ケ月くらいはこのサイドブレーキがなくて足をスカされるまでのルーティンを毎回繰り返します。何度でも失敗する自分を面白がる心の余裕が必要ですね!
実際に商用車を運転してみて感じる不便なところはまだあります。
くるくる窓
リアワイパーがないこと
ミラーが電動で折り畳めないこと
給油タンクが小さいので割とこまめに給油の必要があること
2列目の荷物が転がっちゃう問題(2列めシートが前後にスライドしないため、足元の隙間に入らない荷物=マイカゴ等はシートの上に置くかリアゲートを開けて荷室に置くしかない)
スライドドアが軽過ぎて、かなり力を込めないと閉まりきらない
等々…
書き出したらまぁ色々あるのですが、できることなら不便=悪と考えず面白がっちゃえたら最強です。どうしても気になろところは、カスタムで解決できることもあります。改善の道を探りながら工夫することも楽しんでください。
ちなみに我が家の車は、キットを買って自力でキーレスエントリーに変更しましたー!
使った商品はこちらです
「キーレスエントリー」と書きましたが、まさにリモコンでドアロックの開閉ができるようになるキットです。
…つまり、エンジンをかけるのにキーの差し込みが必要なことは変わりません!
けれどやっぱり雨の日や手が塞がっている時には便利です。この付替え作業のレポートもいつか書きたいと思います。
商用バンに乗って良かったこと
タウンエースに乗っていて一番良かった点は、自力で子どもの引っ越しができたことです。年度の切り替わり直前の3月は引っ越しのピーク。私達はタウンエースがあったので自力で引っ越しを済ませましたが、業者に依頼した方々はハイシーズンの料金にびっくりしたそうです。
それでも業者に依頼できれば良い方で、ドライバー不足を理由に見積もりすら断られた引っ越し難民のかたもいたとのこと。家族の引っ越しなどめったにあることではありませんが、大変助かったのは事実です。
乗ってみてわかった小さな良かったこともあります。
かなり小回りがきく!これはホイールベースの長さよりも、ハンドルのキレ幅が大きいことに由来しているように思います。ちょっと狭くてドキドキする駐車場ではかなりのメリットを発揮します。
運転席の視界が良い。鼻が短いこともありますが、少し座面が高いので運転席の視界はかなり良好です。この運転のしやすさはちょっとくせになります!
めちゃくちゃ暖房が効きます!すぐに高温の風が出てくるので、寒がりの私にとっては高得点あげちゃいたいポイント。お陰で寒い日も快適でした。ではエアコンもよく効くのか?はまた暑くなってから検証しますね。
チープさに慣れてさえしまえば案外快適な部分もあるのです。
そして、一番の良かったことはネットで上手にカスタムされたバンを見ると、ワクワクすること!自分たちの価値観を明確にし、自分の手でそれを実現させていく喜びはプライスレスだと思います。
我が家の車はまだ真っ白な「THE商用車」なのですが、これからを想像するのは大きな楽しみです。
「未完成の良さは未知数の可能性」なのだ!!
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